シンデレラ the ミュージカル(8/17ソワレ)

12時過ぎちゃうよ・・・

先週の金曜日でシンデレラ公演も折り返し地点を迎えたというお話しをされていましたが、自分は今日の公演が8公演中の4公演目ということで、私的な折り返し地点となりました。今日あたりからそろそろ内容についての感想を書いていきたいと思います。
今回の「シンデレラ the ミュージカル」ですが、1957年にアメリカでテレビ放映されたミュージカルのシンデレラがその源流となっており、日替わり写真の「The Rodgers and Hammerstein Theatricals」のクレジットでもお馴染み(笑)のリチャード・ロジャース作曲、オスカー・ハマースタイン2世作詞・台本の作品を日本語訳し、宝塚歌劇団の酒井澄夫氏が演出・脚色を加えたものが演じられております。
過去、本家の宝塚歌劇団でもシンデレラが上演されておりますが、このときもロジャース&ハマースタインの作品を酒井澄夫氏が演出していることから考えても、長い歴史を積み重ねて既に完成されているストーリーの中にモーニング娘。が当てはめられたということが言えるかと思います。
前段はこのくらいにしまして、メンバーが当てはめられたそれぞれの役柄のうち、大きく印象に残ったメンバーについて触れていきましょう。

■シンデレラ(高橋愛


小さい頃から宝塚に憧れながらも残念ながらその夢には届かなかった彼女ですが、モーニング娘。に選ばれてからも宝塚好きを公言し、ついにはリボンの騎士に続き2度にわたって長年の夢を叶えた、まさしく現代のシンデレラ。
モーニング娘。の中でこの役を演じられるのは、高橋愛をおいて他にはいないでしょう。
愛ちゃんもその期待にみごとに応え、宝塚メンバーと比べても全く遜色のない歌とダンスと存在感をみせてくれています。
個人的には「大阪恋の歌」のソロショー*1以来、高橋愛の場の支配力の凄さには一目も二目も置かせていただいておりましたが、今回はこれまでのイメージとは全く違う「可憐な少女」役であったにもかかわらず、彼女の「魅せる」力には一片の翳りもなかったのがとにかく素晴らしい。
逆にフィナーレのショーでは、うって変わって「モーニング娘。高橋愛」を存分に見せつけ、初めて彼女をみたオーディエンスも「あの可愛らしいシンデレラが!?」なんてビックリしたんじゃないかしら。



■クリス王子(新垣里沙


シンデレラが押しも押されもせぬ主人公であると同時に、王子もやはりこの物語のもうひとりの主人公。
里沙ちゃんがそんな大役を仰せつかったということに驚きを隠せなかったのは事実ですが、彼女のファンとしては非常に大きな喜びでもありました。
彼女がどのように男役を演じるのか大きな期待と不安をもって臨みましたが、ステージ上に立っていたのは凛々しくも可愛らしい王子様。
クリス王子といえば、高貴な家に生まれ慈しんで育てられた者だけが持つ穢れのない強さこそが持ち味だと思いますが、これは、育ちの良さや家族との仲の良さがたびたびクローズアップされ、モーニング娘。加入前から現在に至るまでずっと「モーニング娘。愛」を貫いてきた新垣里沙のパーソナリティとうまくマッチしています。
また、本来シンデレラの王子様といえば、プリンス・オブ・プリンスとも言うべく全世界の女性の憧れの的になるような存在だと思いますが、里沙ちゃんはどちらかといえば、強さと同時に脆さや弱さもあわせ持つ弱冠20歳の青年・クリストファーをうまく体現してるんじゃないかと思います。
そして、シンデレラとの出逢いや別れの中で少しずつ成長していくクリスとシンクロしながら、新垣里沙もこのミュージカルで少しずつ成長していくのです。



■ジョイ(田中れいな)&ポーシャ(亀井絵里


2人の意地悪姉妹、姉のジョイと妹のポーシャ。実際は妹役の亀井絵里の方が年上ですが、キャラクター的にはこれでピッタリ。
本来、継母もいれた3人はかなり陰険にシンデレラをいじめるイメージがありますが、今回の舞台ではあまりそれを感じません。確かにワガママ放題で何から何までシンデレラに押し付けてはいますが、そこに陰険さを感じないのは2人とも悪意がないからなんじゃないかと思います。
ジョイとポーシャはれいなと絵里のキャラそのままのハマリ役ですが、あまりにハマってるがゆえ、演技と素の区別がなさそうなんですよね。れいなも絵里もワガママで奔放ですが、当然そこには悪意がないので、それがそのまま舞台で生かされていると。何気に今回最大のお気に入りのキャラなので、継母の愛華みれさんと共に、最後まで暴走気味に突っ走っていってくれたらいいなと思っています。あーわたしのカワイイ仔猫ちゃん!!
ちなみに2人とも歌はうまい方ですが、特に今回は絵里の歌声にこれまでにない力強さを感じます。もしかして、意外と舞台向きなんでしょうか?

今日はこの辺で。次回は印象に残った場面などを中心にダラダラと書いてみたいと思います。

*1:2006年春「レインボー7」ツアー